YaST では、ほぼすべてのサウンドカードを自動的に検出し、それらを適切な値に設定することができます。設定された既定値を変更したり、自動的に検出されなかったサウンドカードを設定したりする場合は、 YaST のサウンドモジュールをお使いください。ここでは、追加のサウンドカード設定のほか、それらの順序を設定することもできます。
お使いの環境でのサウンドシステムについて詳しく分からない場合は、ここでの設定は実施せず、 PipeWire や PulseAudio 等のサウンドシステムでの設定を実施してください。また、オーディオデバイスの切り替えにあたっては、お使いのデスクトップ環境向けに提供されたアプリケーションをお使いください。汎用グラフィカルアプリケーションとしては、 pavucontrol というアプリケーションが用意されています。
サウンドモジュールを起動するには、 YaST を起動して › を選択します。それ以外にも、 root のコマンドラインから yast2 sound & と実行してもかまいません。サウンドモジュールが存在しない場合は、 sudo zypper install yast2-sound コマンドでインストールを行ってください。
新しいサウンドカードを追加した場合や、 YaST が既存のサウンドカードを自動的に検出できなかった場合は、下記の手順を実施してください。新しいサウンドカードを設定する場合、サウンドカードの製造元とモデル (型式) を知っておく必要があります。不安な場合は、サウンドカード付属のドキュメンテーションをお読みください。また、 ALSA で対応するサウンドカードの一覧については、 https://www.alsa-project.org/main/index.php/Matrix:Main をお読みください。
設定にあたっては、下記のいずれかの方式を選ぶことができます:
細かい設定はすべて省略し、サウンドカードを自動的に設定します。音量やその他の設定は、後から変更することもできます。
出力音量の調整と、設定時のテストサウンドの再生を行うことができます。
熟練者向けの機能です。サウンドカードに対するすべてのパラメータをカスタマイズすることができます。
どうしても必要な場合にのみ設定すべき項目です。特に必要がない場合は、簡易設定もしくは標準設定をお使いください。
YaST サウンドモジュールを起動します。
検出されていながらも になっているサウンドカードを設定する場合は、一覧からサウンドカードを選んで を押します。
新しいサウンドカードを設定するには、 を押します。続けてサウンドカードの製造元とモデル (型式) を選んで、 を押します。
いずれかの設定オプションを選択して、 を押します。
を選んだ場合は、 を押すことでサウンドカードの設定と音量をテストすることができます。なお、耳やスピーカーへのダメージを防止する目的で、 10 % くらいの音量から試しておくことをお勧めします。
すべての設定が完了したら、 を押します。
のダイアログに戻りますので、新しく設定したサウンドカードや変更したサウンドカードが表示されていることを確認します。
不要なサウンドカードを削除するには、削除すべきサウンドカードを選択して を押します。
を押して設定を保存し、 YaST サウンドモジュールを終了します。
個別のサウンドカードに対する設定を変更するには (ただし熟練者向けの機能です!) 、 内でサウンドカードを選んで を押します。
これにより、細かい設定を行うことのできる ダイアログが表示されます。詳しくは を押してください。
既に設定されたサウンドカードの音量を変更したい場合や、サウンドカードのテストを行いたい場合は、 内でサウンドカードを選んで を押し、必要な項目を選択します。
YaST のミキサー設定では、非常に基本的な設定機能のみを提供しています。主にトラブルシューティング (たとえばテストサウンドが聞こえない場合など) のために作られている機能です。 YaST ミキサー設定は、 › からアクセスすることができます。日々の使用やより細かいサウンドオプションの設定については、お使いのデスクトップ環境に付属しているミキサーアプリのほか、 alsasound コマンドラインツールをお使いください。
MIDI ファイルの再生を行う場合は、 › を選択します。
対応するサウンドカードが検出された場合は、 MIDI ファイルの再生用にサウンドフォントをインストールすることができます:
サウンドカード付属の CD-ROM を CD/DVD ドライブに挿入します。
› を選択しして、 SF2 SoundFont をハードディスクにコピーします。サウンドフォントは /usr/share/sfbank/creative/ 内に保存されます。
お使いのシステムに複数のサウンドカードを設定している場合は、サウンドカードの順序を設定することができます。特定のサウンドカードをプライマリ (主に使用する) デバイスとして設定するには、 内でサウンドカードを選んで › を選択します。これで対象のサウンドカードが 0 番となり、既定のデバイスとなりますので、システムやアプリケーションから既定で使用されるようになります。
既定では、 openSUSE Leap は PulseAudio サウンドシステムを使用しています。これは複数のオーディオストリームをミックスして出力するための抽象レイヤで、ハードウエアが持つ様々な制限を回避することができる仕組みです。 PulseAudio サウンドシステムを有効もしくは無効にするには、 › を選択します。有効にすると、 PulseAudio を利用してサウンドを再生するようになります。 を無効化すると、システム全体で使用されなくなります。
すべてのサウンドカードに対する音量と設定が完了したら、 を押して YaST サウンドモジュールを終了することで、設定が保存されます。ミキサーの設定は /etc/asound.state ファイル内に保存されます。また、 ALSA の設定データが /etc/modprobe.d/sound の末尾と /etc/sysconfig/sound にそれぞれ書き込まれます。