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適用先 Ekiga 15.6

16 Ekiga: Voice over IP (VoIP) の使用 Edit source

概要

Ekiga は Voice over IP (VoIP) を介して通話を行うことができるアプリケーションです。音声通話のほか、ビデオ通話やインスタントメッセージングも行うことができます。

注記
注記: Ekiga のインストールについて

下記を読む前に、まずは ekiga パッケージがインストールされていることをお確かめください。環境によっては、インストールがされていないことがあります。

通話を始める前に、まずは下記の要件全てが満たされていることをご確認ください:

  • サウンドカードを正しく設定しておいてください。

  • コンピュータにヘッドセット、もしくはマイクとスピーカーが接続してください。

  • 公衆電話網に接続して通話を行いたい場合は、 SIP アカウントを設定する必要があります。 SIP ( Signaling protocol for Internet Telephony ) は音声やビデオの通話を確立したり、通話を転送したりする際に使用するプロトコルです。

  • ビデオ通話を行う場合は、お使いのコンピュータに Web カメラを接続してください。

16.1 Ekiga の起動 Edit source

Ekiga を起動するには、 Meta を押して アクティビティ オーバービューを表示させ、 ekiga で検索を行います。

16.2 Ekiga の設定 Edit source

初めて起動した場合、 Ekiga は設定アシスタントを表示して、 Ekiga を設定するために必要な全ての情報を収集します。下記のようにして進めてください:

  1. まずは ようこそ 画面で 進む を押します。

  2. フルネーム (姓・名) を入力して 進む を押します。

  3. ekiga のアカウントデータを入力して 進む を押します。

  4. Ekiga コールアウトでのアカウントデータを入力して 進む を押します。

  5. 接続の種類と速度を選択して 進む を押します。

  6. 着信音、オーディオ出力、オーディオ入力の各オーディオデバイスを設定します。通常は特に設定する必要はありません。必要に応じて設定を行って 進む を押します。

  7. ビデオ通話を使用する場合は、ビデオ入力デバイスを選択します。必要に応じて設定を行って 進む を押します。

  8. 設定概要を確認して 適用 を押します。

  9. 何らかの設定を変更したあと、登録が失敗するようであれば、 Ekiga を再起動してみてください。

Ekiga では複数のアカウントを扱うことができます。アカウントを追加したい場合は、下記のようにして行います:

  1. 編集 › アカウント を選択します。

  2. アカウント › <種類名> のアカウントを追加する を選択します。詳しく分からない場合は、 SIP のアカウントを追加する を選択します。

  3. まずはお使いのプロバイダから提供された ユーザーパスワード を入力します。

  4. あとは アカウントを有効にする にチェックが入っていることを確認して、 OK を押して設定ダイアログを終了します。このアカウント情報は Ekiga のメインウインドウに 状態 の情報と共に表示されます。これが 登録しました になっていれば問題ありません。

16.3 Ekiga のユーザインターフェイス Edit source

ユーザインターフェイスには複数のモードがあります。モードを切り替えるにはツールバーをお使いください。下記のようなモードがあります:

  • ビデオプレビュー

    接続されているローカルの Web カメラ (通話中は相手側のカメラ) の画像が表示されます。

  • 仲間一覧

  • ダイアルパッド

  • 着信履歴

Ekiga のユーザインターフェイス
図 16.1: Ekiga のユーザインターフェイス

既定では、 Ekiga仲間一覧 モードで動作します。このモードはローカルのアドレス帳を表示し、よく使用する宛先に素早く通話できるようにします。

また、 Ekiga の多くの機能はキーボードショートカットで操作することができます。 表16.1「Ekiga でのキーボードショートカット」 には、最もよく使われるキーボードショートカットを一覧で示しています。

表 16.1: Ekiga でのキーボードショートカット

ショートカット

説明

CtrlO

現在の番号で通話を開始します。

Esc

通話を切断します。

CtrlN

アドレス帳に連絡先を追加します。

CtrlB

アドレス帳 ダイアログを表示します。

H

現在の通話を保留状態にします。

T

現在の通話を他の利用者宛に転送します。

M

現在の通話で音声を無音 (ミュート) にします。

P

現在の通話で映像を一時停止します。

CtrlW

Ekiga のユーザインターフェイスを閉じます。

CtrlQ

Ekiga を終了します。

CtrlE

アカウントマネージャを起動します。

CtrlJ

メインユーザインターフェイスで コールウィンドウ を有効にします。

Ctrl+

Web カメラからの映像を拡大します。

Ctrl-

Web カメラからの映像を縮小します。

Ctrl0

Web カメラからの映像を元のサイズに戻します。

F11

Web カメラからの映像を全画面表示にします。

16.4 通話の開始 Edit source

Ekiga の設定が終わったら、通話の発信は簡単です。

  1. ダイアルパッド モードに切り替えます。

  2. ウインドウの下部にあるテキストボックスに、通話相手の SIP アドレスを入力します。アドレスは下記のようになるはずです:

    • 直接相手を呼び出す場合: sip:ユーザ名@ドメイン名 もしくは ユーザ名@相手のホスト名

    • sip:ユーザ名@ドメイン名 もしくは ユーザ名@SIP サーバのアドレス

  3. 通話 もしくは CtrlO を押し、相手が出るのを待ちます。

  4. 通話を終了するには Hang up を押すか、 Esc を押します。

サウンドパラメータを調整する必要がある場合は、 編集 › 設定 を選択してください。

16.5 呼び出しへの応答 Edit source

Ekiga は 2 種類の方法の着信を受け付けます。 1 つは sip:(ユーザ名)@(ホスト) のように直接呼び出された場合、もう 1 つは SIP プロバイダを介して呼び出された場合です。ほとんどの SIP プロバイダからの着信では、直接呼び出されることはありません。また、 Ekiga の動作モードによって着信の通知方法が異なります:

通常アプリケーションとして動作している場合

着信は Ekiga を起動している場合にしか受け付けることができません。また、着信音はヘッドセットやスピーカーで聞くことができますが、 Ekiga を起動していない場合、着信を受け付けることはできません。

パネルアプレットとして動作している場合

通常、 Ekiga のパネルアプレットは、特に何も通知をすることなく、黙って動作しているだけになります。ですが、着信が届いた場合には Ekiga のメインウインドウが表示され、ヘッドセットやスピーカーで着信音が鳴るようになります。

いずれの場合も、着信に気がついたら 受諾 を押して応答し、通話を開始してください。着信を受け付けたくない場合は、 拒否 を押してください。このほか、通話を他者に転送することもできます。

16.6 アドレス帳の使用 Edit source

Ekiga では通話相手を管理することができます。全ての連絡先は、起動時のメインウインドウに存在する 仲間一覧 内に表示されます。新しい連絡先や新しいグループを作成したい場合は、 チャット › 仲間の追加 を選択してください。

新しいグループを追加したい場合は、下にあるテキストボックス内にグループ名を入力して Add Group を押します。新しく設定したグループは一覧内に表示され、選択された状態になります。

連絡先には、下記の項目が必須となっています:

名前

連絡先に設定する名前を入力します。フルネームでも、ニックネームでもかまいません。

アドレス

連絡先に対する正しい SIP アドレスを入力します。

グループ

多数の連絡先を扱う必要がある場合は、グループを作成して対応してください。

アドレス帳から通話を行いたい場合は、対象の相手を選んでダブルクリックしてください。通話は即時に開始しようとします。

16.7 さらなる情報 Edit source

Ekiga の公式 Web ページは http://www.ekiga.org/ にあります。こちらには、よくある質問とその回答 (FAQ) のほか、より詳しいドキュメンテーションが用意されています。

Linux における H323 通信プロトコルのサポートについて、詳しくは https://www.voip-info.org/wiki/view/H.323 (英語) をお読みください。こちらは VoIP に対応するプロジェクトを探す際のスタート地点としても有用です。

独自の電話網を構築したい場合は、 PBX ソフトウエアである asterisk https://www.asterisk.org/ プロジェクトをご覧になると良いでしょう。また、 asterisk に関する詳細は、 https://www.voip-info.org/wiki-Asterisk (英語) にも用意されています。

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